JOL 的 リレー小説


タイトル未定



 現在進行中のリレー小説はこちらからどうぞ。(直リンは何故かはじかれる模様)





一周目四番



「俺の名前はクオン、クオン・ゼアームだ」
「それでオレッチの名前はジェッター、これはシエーアだ」
「ちょっといきなり失礼だよ、ジェッター。まずは挨拶をしてから自己紹介だろ。それにボクのことをこれって言うことはないだろう、シエーア・ダーナムって名前があるんだからね」
 声のした方を振り向くと冒険者らしき二人組が立っていた。
 ジェッターはクオンよりも更に大男であるが猫科の動物を彷彿させ、シエーアは冒険者として若すぎるというよりまだ子供のように見える。
「まあ細かいことは気にすんなって、それでお前さんは旅の仲間を探しているんだろう?オレッチの見た所、戦士と神官ってワケだな、でこっちも仲間を集めてるわけだが今の所シーフのオレッチと魔法使いのシエーアしかいないのよ、でな4人でパーティーを組めば理想的だってワケだ」
 あっけに取られていたクオンとティオレだがジェッターの提案に
「確かに理想的だな、ティオレの意見はどうだ?」
「異論はないわ、これも導きの一つですし」
「では交渉成立ですね、ボクは魔法使いとしてはまだ駆け出しなのであまり期待しないでくださいね」
 そこにマスターがワインを一本とグラスを4つ持ってきた
「意外に早く仲間が見つかったみたいでよかったな、これは私からの門出の祝いだよ、で早速だが依頼を受ける気はないかな?」
「さすがマスターだな、ワイン一本で買収されたかな」
 クオンは苦笑しながらビンを持ち上げコルクを抜き4つのグラスにワインを注いだ。
 各自がグラスを持ったのをみて
「では新しいパーティーの誕生と初依頼の成功を信じて」
 と言って4人ともワインを飲み干した。

 マスターの依頼は至って簡単な内容だったのですぐに出発することになり、各々装備を取りに戻り、再度冒険者の宿「新緑の大樹亭」に集合することになった。

「おいシエーア、本当にあの二人とパーティー組んで大丈夫なのか?」
「分からないけど大丈夫だよ……それに夢を見たんだよ、ボクがクオンと一緒に旅をしている夢を……」
「まあいいさ、オレッチはお前に付いて行く宿命なんだからな」

 クオンは部屋に戻り装備を整え部屋から出て行こうとしたとき、ポケットからあの巻物が零れ落ちた
「この巻物に書いてあったんだっけな、ここで仲間を集めろって」
 と独り言を呟きながら巻物を拾い何気なく紐解いていく
 あっ!!文字が変わっている、『トレートティースにて旅の仲間を集めよ』だったはずが


Written by 風花雪月 (03.11.29)
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