JOL 的 リレー小説


タイトル未定



 現在進行中のリレー小説はこちらからどうぞ。(直リンは何故かはじかれる模様)





五周目三番



「ついに始まりましたね、クレイトン」
「ああ、始まったな」
 小高い丘の上から眼下で行われている戦闘の行く末を見ていた
「結構頑張ってるわね、討伐隊は」
「そうか?まあ資格者とその一行や数人だけは健闘しているが……
 しかし松明なんかもトロル相手では厄介だな」
「アナタの力でどうにかならないの?風のクレイトン」
「あのな、風は火を煽ることしか出来ないぞ、それより水を司るお前の方が適任だろ」
「そうね、ではそろそろ第二幕と行きましょうか」
 女はおもむろに杖をかざし呪文を織り成した。
 程なくして天から激しく雨が降り始めた

「ちぃっ、やっぱり降ってきたか・・・マズイな」
 戦いの序盤は人間側が押していた、いかにトロルといえども組織立った行動を取った人間相手には敵わなかった。
 しかもクオン、シエーア、ジェッターの3人のコンビネーションは完璧だった。
 シエーアが呪文を完成する直前にジェッターがトロルの体勢を崩し、クオンが一撃を与え、そこに詠唱の終わったシエーアの呪文で止めを刺す、といった一連の動きで数体のトロルを倒した。
 ソウカも2体のトロルを倒していた、彼女の持つ剣はどうやら氷の属性を持っているらしい。
 切り口が凍ってしまっては、いかに再生能力の高いトロルといえど再生が間に合わなかった。
 またマーロン公直属の騎士団の中に炎属性の魔法剣を持ち、剣技も優れた騎士も3体以上のトロルを倒していた
 その他の討伐隊も松明などをうまく使いなんとか対応してきたのだが……
 トロルたちは初めは討伐対の組織だった行動に押され気味だったが持ち前の再生能力と疲れを知らないタフさで徐々に討伐隊を押し返し始めてきたのだ
 そんな矢先の降雨である討伐隊の士気は否が応でも落ち始めていた
「最悪だな」
「だね、そろそろボクの魔法も尽きてきたよ、でジェッターは?」
 クオンの呟きにシエーアが答えた
「この周りのトロルは粗方片付いたからな、他の討伐隊のサポートに回ってもらってる」
「あっそ、クオンは行かないの?」
「俺はナーリ王子の護衛も兼ねているからな」
 苦笑しながら答えた
 ナーリ王子の指揮していた辺りはクオン、シエーア、ジェッター、ソウカなどの活躍により大半のトロルを倒していたので会話をする余裕が出来ていたのだ
 そんな矢先に右翼軍が大きく崩れ始めた
「ナーリ王子、シューイ王子に危険が迫っています、すぐに救援に向かいましょう」
 なんとシエーアが気に掛けていた少女ソウカが提案した
「うむ、ではクオン、シエーアよ、私と共に来てくれ。それとそなたも私と一緒に来てくれないか」
 ナーリ王子はソウカにも声を掛けた
「判りました、私もお供いたします」
 右翼軍を救出する為にクオン達は戦場を移動した。


Written by 風花雪月 (04.08.09)
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