JOL 的 リレー小説


タイトル未定



 現在進行中のリレー小説はこちらからどうぞ。(直リンは何故かはじかれる模様)





九周目四番



「しかし最近ヒマだね〜、こうクオンのダンナと出会った頃とは大違いだね」
「たしかにアノ巻物を手にしていたときはドタバタと忙しかったな」
「……そうだね……」
 クオンとジェッター、そしてシエーアの3人はあてがわれた部屋で成す術もないくらいマッタリしていた。
「ジェッターくんお得意の情報収集へは行かないのかね」
「この街の住人は信者くらいしかいないからな、それ以外は手出し出来そうもない・・・っていうか見つかったら即刻この世から消滅させられてしまいそうな人達だからな、ギルドもないし、まさにお手上げだよ」
 両腕を天にかざしジェッターがクオンと他愛もない会話を繰り広げていた。
「しかし最近のシエーアはなんか静かだね〜、こうクオンのダンナと出会った頃とは大違いだな」
「たしかにアノ巻物を手にしていたときはぎゃあぎゃあと五月蝿かったな」
「……そうだね……」
 今度はクオンに耳元に手をかざし内緒話をするように囁いた。
「こりゃ重症だな、なんかあったのかな?」
「ああ、この前あの首飾りを買ってきてからおかしいな」
 驚いたようにジェッターはまたも両手を天にかざした、答えたクオンの視線の先にはシエーアが居て、そのシエーアは黒い石を見つめていた。
「ヒマならあの黒い石について調べてみたらどうだ」
 今度はクオンがジェッターに耳打ちした。
「そうだな、それくらいしかヒマをつぶすことは出来ないな、っていうことでシエーアの監視はクオンの役目だから」
 ジェッターがウィンクをして椅子から立ち上がりドアの方へ歩き出した。
「気色悪いことするな、まあこっちは任せておいてくれ、どうせヒマだしな」
 クオンが最後まで言い終わらないうちにジェッターは部屋から出て行った。
「たしかにあの黒い石を持ってからのシエーアは雰囲気がかわったな」

「剣聖から受け取った『碧樹双麒』とはどんな剣なのです?」
 歩きながらセレンティアはエルフィスに尋ねた。
「『碧樹双麒』とは双剣だな」
 そういうないなや『碧樹双麒』を抜いた。
「扱えるの?」
 あまり興味なさそうに会話を続けた。
「まあな、一応扱えるさ」
 剣術の型を2,3披露した。
『双剣の腕前だけはシエーアの方が上だったな』
 心の中でエルフィスは思い出していた。
『なぜ俺ではなく他の男、クオンとかいう男の下にいるのだシエーア』
「なんでも上手く扱えるのね、さあ早く聖都に向かいましょう」
 セレンティアは剣術の型を見終わり次第、また歩みを再開した。


風花雪月 (05.06.14)
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